!>シカいのです。





「なんでさ、おまえいちいち俺んとこくんだよ」

めんどくせえ、と吐き捨てられていのは眉をよせる。男から別れ話をされて、チョウジがいないからシカマルを巻き込むのはいつものパターンだ。チョウジがいた場合だってチョウジとシカマルが雁首そろえていのの愚痴をきくのもお定まりだから、結局被害を蒙る。

「いーでしょ、べつに。そんなの考えてないわよー」
「考えろよ。はっきりしねえと困るだろ」
「うるっさいなあ。あんたまでいちいち言わないでよ」
「――――べつにいいけどよ」

おまえに言ったってしょうがねえし、とシカマルはボリボリ頭をかいてため息をついた。

「しょうがないってどういう意味よ」
「いいっつってんだろ、いのに言ったってどうせわかんねえんだから。この話は終了だ終了」
「はあ?だから、どういう意味ってきいてるんじゃないのよー」
「春野にでも訊けば」
「……なんでサクラの名前が出てくんのよ」

シカマルがいのの前でサクラとは呼ばずに春野という。サクラと呼びだしたのは、同時に隠しだしたのはいつだったろう。別にいつごろ付き合いだしたのかだってサクラ自身からきいてたし、いつ別れたのかも聞いてる。だのにいのが何も知らないとおもってこそこそ隠そうとするシカマルの態度がものすごいむかつくのだ。なにかいのを見くびっている。

「サクラに話したらうっとうしいって言われるし」

そりゃそうだろうよ、とシカマルはあきれる。そもそも人に相談なんて大概自分の中で答えが決まっていて、だけど納得できない曖昧なものを吐き出したいだけなのだから。

「うるせえな、おれはもう帰るかんな」

伝票をとりあげるのにいのが見あげれば、シカマルは軽く顎をしゃくった。

「おまえも立てよ」
「なんでよー」
「送るからに決まってんだろ。明日も任務なんだよ」

え、といのが驚くのにシカマルは半ば確信犯だったとはいえ、一瞬気まずそうに眉をひそめて視線をそらす。がたりとイスを引いていのが立ち上がるのを後ろにしながらキャッシャーまで歩いていった。

「ごめん、つきあってくれてありがと」
「別にいいんだよ、それは。おまえよ、ちゃんと家帰れよ」
「……」
「黙ってんなよ。親父さんマジで心配してんだぞ。おまえのことだからへんなのに引っかかりはしねえと思ってるだろうけどよ、俺にまで探りいれてくんだぞ」
「……ごめん」
「……おまえ、返事だけは素直だよな」

あきれたようにため息まじり、目を眇めて笑ったシカマルのにいのは何よ、と小さい声でしか言えなくて困る。

なんでか目をあわせられなくてとても困る。





し、シカ(←無自覚)イノすきなんです。
幼馴染み萌えなんですよ!
ほもサイトなのにごめんなさい(土下座)







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