タイルに背中をはりつけ俯いたサスケの睫がすこし震える。シャツの裾からいれた指先をぐるりと動かすと、息をつめるのがわかった。腕を押さえつけているわけでも抱きしめているわけでもない、ただ右手で肌をなでているだけだ。くう、とサスケの喉から小さな声がもれる。たいしたことはしていない。
身長にとられて肉付きの薄い体、浮いた肋のひとつひとつを数えるように手のひらでたどりながら胸まで持ち上げればシャツがゆっくりと上がっていく。ひどくはやい鼓動を感じて、カカシは眼を細める。おろされたままのサスケの手がなにかをこらえるように握られて震えていた。
流しっぱなしのシャワーから湯気が立上る。 「あ、は」 動くたびにちいさく声をもらして、きつく眼をとじている。口を自分でかみしめてとじていても、声は口でだすものじゃなく喉で出すものだ。耳の後ろから肩の辺りになんども唇をおとしてあげると、そのまま小さく締めつけてくる。 「ん」 腰のあたりをつかまえるカカシの手をかかえこむようにサスケが前のめりに俯く。はなれそうになるのを腕を持ち上げてカカシが引き戻すと、深くはいられてサスケは口をあけて荒く呼吸をした。カカシの肩口に後ろ頭つけて体を揺らす。ひらかれた膝をおさえていた手のひらがゆっくりと太股をなでる。いいかげん、立ち上がって先をぬるぬるにした性器をつかまれるのを、朦朧と見ていた。 「あ」 ぴちゃりと音がする。カカシの指が濡れた音だ。親指の腹でまるで字をかくみたいにゆっくり先端をこねるようにされて、下腹がびくびくひきつる。ひきつるたびに後ろを締めつけると、また先から先走りが漏れた。 「ぁ、う」 小さい水音がたっても、カカシにいじられてる前からなのか開かれてる後ろからなのかはわからない。たいしたことはされてない。ただカカシの指が動くたびに勝手に体がひきつって、勝手に気持ちよくなる。ゆっくり先をなでる動きがもどかしくじれったくて体を揺すった。すこし動くと後ろも動いて気持ちがいい。止まらなくなる。 「う」 カカシの指につままれた先からぷつんと雫が溢れて落ちて、流れていく。ぬぐうようにされてもまた漏れて止まらない。耳たぶを唇ではまれて、吸い上げられる。首筋から尾骨まで一気に震えが走った。 「ぁあ!」 びくりと体を揺らした拍子にカカシがいいところに当たって、声が漏れる。ふうっとカカシが息をほどくのに、先からどろりと熱いものが伝うのがわかった。床についた足の裏に力をいれて腰を浮かす。抜出る悪寒もすりかわって、サスケは息をつめた。息をはいて腰を落とす。 「ん」 それ上手、と褒めるようにこめかみに唇を落とされるのに眼を閉じて、体を動かした。 「そこ好き?」 さっきからそこばっか、と掠れた声で笑われる。腹側にある一番いいところに擦りつけるように小さく体をうごかしながら、首を振る。けれどカカシの手の中はもうどろどろになっていて、しょうもない嘘はすぐにばれる。詰るようにぐりぐり先端をつぶされながら後ろにねじ込まれて、痛みまじりにつきぬけた感覚に爪先がひきつった。 「ぁ、あっ」 いままでのじれったさが嘘みたいに揺らされて、声が勝手に漏れる。かき回すようにされて、カカシの手の中であからさまに芯を通したところがひくひくもの欲しげに跳ねた。こっちもちゃんとしてあげる、といやに嬉しそうな声をいぶかしく思うまもなく、四つんばいに引き倒された。サスケがかすれた声をあげる。 「あ、なに…し…っ」 たぶん片手にリンスかなんかをかけたのだろう。冷たい液でぬるぬるになったカカシの両手がつよく包んでくる。 「女の子ってこんな感じ」 「……っ」 ぬる、とはさんだ両手が前に動かされて、後ろに戻される。ぬる、ぬる、とカカシの両手の間にゆっくり出入りする自分が見えて、息をのんだ。 「ほんとはもうちょっとざらざらしてたりすんだけどね、眼つぶって、動いてごらん」 体温で温かくなってすべりのよくなった粘液に包まれながら動かされるのに誘われて、犬みたいに腰を動かしてしまう。ときどき気まぐれみたいにあたたかい肉にきつくしめられる気持ちよさに頭がおかしくなる。先のくびれたところをカカシの指にひっかけるようにして動いた。 「ん、んっ」 「気持ちよくなってくるとさ、狭くなってもっとぬるぬるになんの」 「っる、せえ……よっ」 「想像してすんでしょ、男の子なんだから」 不規則にきゅうっときつくされて、先をきつくしごかれてサスケはあえぐ。こらえようと力をいれれば、カカシが入ったままだった後ろが窄まって、膝がくずれそうになった。そう、こんな感じ、とカカシが言うのに悪態をついても体が止まらない。 「あ」 「ね、どっちがいい?」 「ぅ、う―――う」 不意にいきなりかき回すようにカカシが腰を動かして、呻いた。ぼたっと重たるい音をたてて体液が落ちる。耳朶をゆっくり噛まれるのに首をふった。カカシの手の中でびくびく震えるのをきつくされて、中のいいところをぐりぐり押されてたまらない。 「あ、わ、わか、ん、ね」 もつれる舌でようやく答えながら、カカシの手をぎゅっと握りしめる。前も後ろも気持ちがいい、おかしくなる。カカシの人のわるい笑い声に、耳が熱くなった。 「わかんないの?」 「だ、まれ」 カカシの両手の間に無心に、擦らせていてかわいい。けれど前をいじると後ろをきつく締めつける癖は、カカシがサスケに教え込んだものだ。ほんとうに覚えがいい。こっちも上手、と褒めながら動きにあわせて深くいれると甘い息をこぼす。荒い呼吸をしながら、むさぼるサスケにカカシは入れたままでちょっと笑う。 「女の子としたい?」 「…りてえ、っ」 泣きそうな声で即答した正直さに喉でわらって、性器をはさんだ手をきつくしめあげてやると、犬みたいな鳴き声をあげて腰を揺らす。そのまま一番すきなところをこね回すようにねじこんだ。指の中でサスケの先端がちいさくふくらんだかと思うと、ひきつった声をあげながらタイルのうえに白くまきちらした。 「ん、ん――ンっ」 ぎゅっと絞られるのに逆らわずカカシも吐き出す。奥にひろがるぬるついた熱にサスケの背中が震えた。出し切るようにゆっくりとカカシは腰を動かして、息をついた。 (させてやんないけどね) でも知ったらお赤飯炊くぐらいはしてしまいそうだなとカカシはのんきに考えて笑った。ゆっくりと引き抜いて体を離す。汗とうかんだ涙ではりついた黒髪をよけて、眦にキスを落とした。気持ちのいい怠さに眼をつぶる。赤飯は炊いてお祝いは確かにしてやろうとは思う。 「後で、出したげる」 「……なに」 「中の」 するりと手を滑らせて、さっきまで入っていたところをなぞるとサスケの体がこわばった。 (お祝いはしたげるけどね) カカシは多分、いまの自分は相当性格のわるい笑い方だろうなと思いながら、指でゆっくり、ことさら知らしめるようになぞった。サスケが震えるのは指一本で十分なことを散々おしえこまれているからだ。 「…いらねえよ」 「そんなこと言わないでよ」 カカシは唇をきれいなシンメトリーにもちあげて笑った。 |
「LOVELIFE7」/カカシサスケ |
……ごめんなさい。暴走しました(先生が)。 ラブライフなんで許してください。 |