アカデミーに併設した食堂ちかくにある、カップベンダーの前にたったカカシは首をかしげた。油蝉の声がとおく聞こえる午後二時、食堂は閑散としている。大きな調理場からは水をつかう音が涼しげに響いていて、天井にかかった扇風機がゆっくりと首をうごかしている、その下、ナルトとサスケとサクラを見た。

(…サクラちっちゃくなった?)

思ってからナルトとサスケが大きくなったのだと気がついた。三人はひとつのテーブルに座って巻物をのぞきこみ、なにやら話し合っている。邪魔するのもなんだか気がひけてしまい、先にタバコでも吸ってこようかとカカシは頭をかく。

ちらりと肩越しに振り返ると、ふとあがった黒い眼差しと合う。

「あーーーー!先生!おかえり!」

がたんと椅子を鳴らして立ち上がったナルトが駆け寄ってくるのにカカシはやれやれとため息をついた。観念して近寄るとサクラがお疲れ様、と笑った。

「随分、ながかったのね」
「まー、ちょっとややこしい依頼だったから。おまえら元気だった?」
「とーぜん!」
「しかしこっちは暑いねえ」

ため息をついたカカシの口も首もかくしたその格好で言うなよと三色の眼が見てきた。

近づくとよくわかる。撫でるナルトの頭の位置がほんのすこし高くなって、サスケの旋毛もすこしちかくなっていた。サスケが視線だけをこちらによこしてくる。カカシのすこしくたびれた格好を一瞥して口をひらいた。

「あんた、今帰りか」
「ん、そう。一服してから報告いこうかと思って」

すこし教え子達と話せるかなと期待したのに、サクラが時計をみてあわてて巻物をしまって立ち上がった。

「あ、そろそろ時間よ」
「ごめん、先生、俺らこれからミーティングだから、またね!」
「今度ごはんでも食べようね」

ひらひらと手を振りながらいうと、おごり?と返ってくるのに笑ってしまう。見てるだけで満腹になるぐらい健啖家な三人にご飯を奢ったら財布がおいつかない。ナルトたちが出て行ったのとは反対側の出口をくぐった。食堂の外にでれば太陽をまともにあびた土がぬるませた空気と蝉噪がおしよせる。葉ずれの音がするたび、揺れる木漏れ日にすこし目がくらんだ。

長期の任務ともなると、部屋はとうぜん開けっ放しで、冷蔵庫の中身も片付けてある。疲労もあってとても家で食事を作る気がしない。風呂もたぶん埃をかぶっているだろうから、銭湯にいって外ではやめの夕飯をすませ、明日の朝食の買い物をする。ビニール袋をぶらさげてゆっくりとまだ明るい道をあるきだした。

ベランダの雨があたるところにおいておいた植木のウッキー君は、キノコをはやしていたけれど元気だった。冬用のぶあつい布団をかたづけて、夏の肌がけとタオルケットをとりだす。どちらもしまったままだから湿気をふくんでいたけれど、ひさしぶりの自分のベッドに寝転がると、一気に眠りにおちた。





油蝉のひくい音が響いてくる。暑さに寝転がれば視界が赤くなって、太陽が随分たかいのがわかった。

(……だる)

寝起きにシャワーを浴びて、掃除をしなければと重いながらぐずぐずと転がっているが、背中にさわるシーツはどこもかしこも体温でぬるんで寝ていられない。のろのろと起き上がったカカシは窓をあけはなった。大してかわらないしめったぬるい空気がはいってくるが、ないより幾分かマシだ。シャツの腹に手をつっこんで虫にさされたらしいところをかいて、欠伸をする。サクラにみられたらみっともないと怒られてしまいそうだ。

夏至をすぎてもまだまだ高い太陽からまっすぐおちてくる日の光は、町並みを白くし影を強く落とす。冬に寒々とした枝をさらしていた桜は葉陰をゆらしている。道端のタチアオイが白や赤の花をよじるようにつけていた。

いつのまにか夏だ。

がちゃりとドアがあいてから、カカシと呼びかけられて笑ってしまう。

「おまえねえ、俺が女だったらどうすんのよ。ノックしなさいよ」
「あんたが女だったらきもちわるい」
「うわ、即答」

ひどいよ、と笑ったカカシはドアの前にたったサスケを迎え入れる。なにか買ってきたのかビニール袋をぶらさげていた。

「あんた、寝癖すごいぜ」
「寝起きだもん。久しぶり。どうしたの?」

触ってみると前髪も横もてんで勝手に重力に逆らっている。普段からあまり重力にしたがってはないけれども。サスケに背中をむけて、着替えをひっぱりだす。においをかぐとすこしやっぱり黴臭いが、きるものがないのだからしょうがない。

「きょう、午前上がりだったから」

アンタ休みだろうと思ったし、と部屋の奥にすすんだサスケは椅子に腰掛けて、シャツに頭をとおすカカシを見ていた。ふりむいて眼だけで笑ったカカシは腕を袖にとおしながら裸足でサスケにちかづいて、ゆっくり上体をかがめた。サスケの肩口に額を押し当てる。

「あとで行こうと思ってたから、よかった」

重い、といいながら動かないのに、恋人はまだ恋人でいてくれたとカカシは安心して笑った。

半年、やむをえない事情でも音信不通にならざるを得ないのは不安だ。ほんとはアパートのポストを探したとき、鍵が入っていないか怖くなった。ナルトやサクラの前で、呼び止めるのもなにかと秘密にしているから後ろめたく思えて躊躇ってしまう。恋人同士と周りが見てくれると面倒もあるけれど楽なこともはるかに多い。

ただいまとお誕生日おめでとうを言えば、サスケのすこし大きくなったような気がする手が寝癖のついた髪をゆっくり撫でて、唇を寄せてくる。

こうばしい土と草の夏のにおいがした。ほんとうは昨日、背中をみつけたそのときにキスがしたかった。

あ、と声をあげたカカシが体を離すのに、サスケはなんだよと眉を顰める。

半ばまでたくしあげられたシャツと前をゆるめたズボンから手をぬいたカカシは、ちょっと眼をうろつかせた。ゆっくりとサスケの真正面に膝をついて、包装紙をやぶらないでプレゼントをあけるようにサスケの服に手をかける。サスケはなるべく力を抜こうと言聞かせて眼をつぶる。けれどどうしたって緊張しないわけにはいかない。

開いた窓から風がゆるく入ってくる。草ゼミの声とどこかの家で風鈴がなる音がした。やわらかい息がかすめるたび足の甲がひきつるのをとめることができなかった。肌を掠めるのがカカシの髪だとわかって思わず手がでた。瞑っていた目をあければ予想にたがわず屈みこむ頭が見えてあわてて足を閉じようにも、肩ごと入りこまれて内側から押されれば力負けしてしまう。

片手を机についてずりさがろうとしてもせまい一人がけの椅子ですぐに逃げ場はなくなった。ならばとずりおちた下着をつかめば、ひょいとカカシの眼があがる。いやに楽しそうに笑ってるのに、罵倒もうまくまわらなくて意味不明な唸り声がでた。

「なにうめいてんの」

暴れんなとやたらうわついた声で笑われて、足首をひっぱられる。ずるっと沈めば手は椅子の肘掛をつかもうとして、無防備になったところから引き剥かれた。

ちゃんと見たい、とやたら真面目くさった眼差しと声で言われれば、また隠そうとした手は動かせなくなって肘掛をつかむばかりになる。全身うごかすこともままならなくなって、困った視線だけはうつむいたカカシの首から背中あたりをうろつくしかない。首から耳あたりにある多分、血管の太いあたりが鼓動のたびにひくつくように動く、呼吸で動く胸だとか喉をとおる空気の音だとか、手のひらが汗をかきだして、いつもは気づかない自分の体がやたらと生々しい。たかがカカシの眼差しひとつだ。

いまさら恥ずかしがるほうが、恥ずかしい気がしてようやくカカシの眼をみるが、ふせた眼差しはじっとサスケの下肢をみつめている。ちらりと伺うように視線があがって目があった。

「別に、ふつうだろ」

平静におさえた声でたいして気にしない風をよそおっても、シャツからのぞいた二の腕から肘の色がやたらと赤いのに気がついて、耳のあたりがじわりととあつくなった。顔、すごい赤い、と笑いまじりに改めて指摘されればもうどうしようもなくなってうるせえと情けないぐらい小さい声で罵った。

「や、そんな恥ずかしがられるとこっちも恥ずかしいっていうかね」

ごめん、とちっとも反省していない証拠に宥める笑い顔で頭をなでる。くつくつ喉をならすのにかまえているのもおかしくなって力をぬく。そっちな感じはするんだけど、というのになんの話だとにらめばこっちの話とあいまいにながされた。

ちゃんと見たくてというのに何をと問いかける。口元を器用に片方つりあげて延ばされた指の不意打ちに大袈裟なほど膝がはねた。さり、とたしかめたあと長い指が梳くように動いた。絶句したサスケの耳にやわっこいと感嘆まじりの言葉が届いてようやく頭が動いた。

「ねえ、いつ生えたの」
「うるせえ!」
「だって、さいご見たとき脇は生えてたけどさ、こっちは」
「黙れうるせえ帰れ!」
「帰れって、ここ俺んちだから。ああもう、なによこれ。大人になっちゃって」

水から逃げる猫みたいに暴れだした膝に、機嫌のいいカカシは片膝をのせておさえこみ、両手をがちりと捕まえれば首ぐらいしかうごかない。どこじっくりみてんだ、とまた赤くなったサスケは降りてきた唇をよける。かわいくないなあと気にしたふうもなく笑ったカカシは正面にきた頬に何度かキスをして鼻で髪をかきわけると赤い耳に唇をよせた。とたん肩をすくめるのに心底からかいたくなったが多分これ以上つつくと真剣に怒るにちがいないから黙って、けれど笑ったままの唇をおしあてる。

こんなおいしい機会をのがしてなるものか。

鼻を耳のうしろにすりつけると日だまりの土と草かすかな汗が交じったにおいがした。ほんとは耳をなめたり好き勝手にしたい、でも暴れられるのはいやだし、いやな思いもさせたくなかった。

「……耳はよせ」

だから命令形の懇願にカカシはすなおに顔をはなした。サスケはもう別段あばれるわけでもない。

「この年で生えないほうがおかしいんじゃないのか」
「まあね。でも半年前はなかったし、小さいときからしってるとさ、なんかこう」
「……いつ見たんだよ」
「やましい気持ちはなかったよ」

その時はとカカシが笑うとおさえつけていた手をどけるとかたちのいい額におねがいのキスをおとす。膝を床について、下から気に入りの瀝青の眼をのぞきこむ。

「おめでと」
「……どこ見て言ってんだ、あんた」

怒らないでよと、笑ってもう一度お願いのキスをした。

「ちょっとオレの好きにしていい?」

サスケは椅子に深く腰をかけて肘掛をつかんだえらそうな格好で睨むみたいに、だけど首をうっすら赤くして勝手にしろとお許しをくれた。





臍から下腹につながった産毛のながれをたどって指がゆっくりかきわける。肌にふれるわけではなくても、髪と同じで指の動きは目をつぶっていてもわかった。やわらかいねと独り言みたいにいうのに口はつぐんでいると、なだめるみたいなキスを頬におとされた。

「楽しいかよ」
「うん、すごく」

勝手にしろといったことをもう後悔していた。絨毛をかきまわす些細なうごきが、もどかしいせいで余計に気になる。ざり、と指が根元をはさむようにしたのに思わず腰をよじって目をあけると、むきだしの黒い茂みにいつもより体温がたかくて湿ったような手のひらがおしあてられ、長い指がさしこまれてゆっくり動いている。とても見ていられない。視線をそらせば目の前にひどく楽しそうなカカシがいて、首や耳に唇をおしあてきた。

「…くすぐってえよ」

せめて笑えたらごまかせたのに、拗ねたような口調にしかならない。羽みたいに軽いキスもやたらと恭しい指先もなにもかもがもどかしい。ここまで楽しそうに体を見られることや触れられることはされたことがなくて、身動きもとれない。

「まだかよ」
「まだ」

即答されて顔を背ける。膝の裏がすこし汗ばむ。鼓動はずっと早まったままだ。覚えのある熱が足の付け根と下腹の間にわだかまっていて、みっともないことになるまえに早く手をどけてほしい。カカシの手は下腹にひたりとおしあてられて動いているのは指先だけだ。動くたびに熱が生き物みたいに飛び跳ねる。

「っ」

爪にひっかかったのか、ひっぱられて喉がなる。あ、ごめん、とカカシがいうのにサスケはきつく目をとじる。なだめるようにうごいた指がたしかめるように動くのが、まともに熱にぶつかってはあっと息がもれた。

「あ、アンタがへんな」
「……」

へんなことするから、と恨み言をいうのに、必死で笑わないよう喉に力をいれてカカシはゴメンといった。まわりだけ撫でて終わらせる気なんてさらさらない。食前酒があまりにすてきだったからじっくり味わってただけであって、フルコースはこれからだ。

下からすくいあげるように唇を食んで、深く重ねる。舌をすこしのばせば、おずおずと唇がひらいた。下肢においたままの手をゆっくりと動かせば、驚いたのか舌を噛まれる。小さな痛みも興奮したいまは気持ちがいいだけだ。手のひらのなかでびくつきながら大きくなるのをゆっくりしごいた。

キスのせいでくぐもった声をあげながら臍の下ををひくつかせる。さっきの仕返しに舌先をかんでやると、手のひらの中がじわっと濡れた。指の腹でぬめった窪みをゆっくりなぞって、気持ちがいいだろう先だけを丹念に触ると、息苦しくなったのか顔を背けられた。

「う、ぅ」

足をひらいたまま上体をよじったサスケにキスをするのは諦めて、潤んだ首筋に舌をはわせる。とがった顎から耳に唇をすべらせて、耳を舐めたとたんサスケの両膝が浮いて指がすこし濡れる。気持ちがいいんだときがついて耳たぶを唇ではさんだ。やわらかいのに芯のある食感がおもしろくて、吸ったり飴でもなめるように舌を動かすと、サスケがいやだと掠れた声でいって、指の腹までぬるついてきた。塩気もなくなるくらいきれいになめった耳から口をはなしたときには、サスケの足からはしっかり力が抜けていて、もうお願いしなくても好き勝手ができそうだ。

まだどことなくうすい、ぬれた毛がたちあがった根元にまつわってるのは本当に卑猥だった。しかも今もまだ12のサスケがどんな風だったかをおぼえているから、あの子供が立派にいやらしいことになってて嬉しい。じっと見ながらゆっくり指をうごかすと、サスケが小さく何かをいう。

「なに?」
「……んな」
「え?」
「そ、ういうの、やめろ」

いやだ、というのにそういうのってなに、と首を傾げて、しみじみながめた。

「まだうすいねえ」
「〜〜ッ」

ぶわ、と手のひらの下の肌がいっきに熱くなるのに、笑いながらかわいいといえば、サスケは言葉にならないみたいに唸る。もう一度、かわいいとやたら興奮した掠れた声でいえば、指の下がとろりと熱くなってまたこぼした。本当に才能があるとしか思えない。

「なん、か、変な間とかとってんじゃねえよ、やるならやれよ」
「よくない?」

ぐり、と指をうごかせばサスケは息をつめて唇を噛んで、気持ちわるい、とだれが見ても赤い顔で嘘をつく。苛められるのが恥ずかしいのが気持ちいいくせにとは今日はまだ言わない。かわりに耳に唇をよせて、こういうの、といいながらくびれたところを指でたどる。

「俺けっこう好きなんだけど」
「…ん、んっ」
「つぎ俺にしてね」
「だれ、が、やる、……アッ、ぁ、う、あ、やだ、や」

さっき知った耳をなめながらお望みどおり手を大きく動かしたとたん、いやだといいながら足をひきつらせる。手の中はひっきりなしにねばった水音をたてるのが恥ずかしいみたいで、サスケは耳を椅子の背もたれにおしつけてかたく目をとじて肩で息をしている。耳たぶを甘噛みしてきゅうっと吸い上げたら、ひきつった小さな声をあげてのけぞった。手の中でふくらむのを絞るようにきつく擦ると、短い声をあげて今度は体をまるめる。

ぱた、ぱたたっと軽い音をたててサスケの黒いシャツに白く散らばって、重力のまま肌を落ちていった。ゆっくり何度か手をうごかすと、とろりともう少しこぼして出しきったらしい。はあ、と長い息をはいて半分椅子からずりおちた格好でサスケは目を瞑って、たぶん罵倒らしく小さく唇をうごかす。

「なに」
「さ、っきっから、あんた、オヤジくせえ」
「そういう気分なんだよ」





サスケの背中でカーテンの隙間からもれた光が斑に揺れる。

「あ、ぁ」

がくんと仰け反って膝をくずしそうになるのを、上からひきあげた。前のめりに逃げようとするのを背中にはりついて、いっそう奥にねじこんでゆっくりかき回す。いいところをつぶすように擦るとまだ細い体がひきつって、噛み付いてくるのにカカシは口をあけて長く息をついた。呆れるほどせまかったところは、すっかりやわらかくなっていて、ごめんと謝りたい気持ちになる。でもやめる気はなかったし、サスケもやめてはほしくないはずだ。

「は、う……ん、ンンッ」

なまぬるい甘いゼラチンがまつわって、体のまわりでどろどろになる。つかんだりひっぱったり噛んだりでシーツはよれて、枕はサスケがしがみついてるほかは蹴ったのか邪魔だと落としたのかどこにいったのかわからない。さっきから何度も折れかけていた腕がこんどこそ本当にがくりと落ちたのに、体をうごかすのをやめたカカシは息を整えた。短く息継ぎをしてるサスケはさっき逃げようとしたのも忘れたみたいに四肢から力がぬけていて、ときどき体をみじかく震わせている。うすく光る背中をひとすじ、汗がながれおちていった。

横向きに転がして姿勢をかえる。どこか朦朧とした眼差しのサスケの頬に張りついた髪をはらって、頬をなでた。焦点をようやく結んだ目じりに小さく唇をおしあてた。

「ンッ」

不意打ちにサスケがあおのく。いい眺め、とかかえた片足の膝を撫で回してカカシはとぎれとぎれにつぶやいた。浅く小刻みにいいところに当てると、きつく噛んできてもってかれそうになる。引き抜くのも奥深く割り込むのも、すごいよかった。この格好はいやだ、と訴えてくるのにカカシはなんでと笑う。おおきくあいた足の間でゆらゆら揺れてるのが床にころがってお腹を撫でてという犬みたいでかわいくていい。全身手のひらでなでて、体をこすりつけてやる。大喜びだ。

見られてるとおもうと、恥ずかしいのに気持ちがよくなるのかなにか言うたびにサスケの体は正直に反応する。好きなら今度はもっといろいろしたい。シーツに顔をおしつけて声をかみ殺していても、一番近くにいるから聞こえないはずはなかった。サスケの癖みたいなものだから気にしない。脇から胸に舌をはわしながらぐりっとゆっくりまた奥をえぐると、臍の下がびくびくはねて、またシーツがすこしぬれた。

しつけえ、と随分甘い声で罵られて、口だけでごめんと返した。もちろん、反省なんて毛頭する気はなかった。









ちょっと反省、とベッドでうつぶせたカカシはぼんやり思う。たぶん明日は足に来るに違いなかった。いくらなんでも浮かれすぎた。寝てるサスケの背中に近づいて、ちょっとシーツを捲る。ゴムをひっぱって片手をつっこむとやっぱり指にふわふわやわらかくて、気持ちがいい。うう、とサスケが呻くのに名残おしいが手をひいて、おめでとうと呟く。

あー、たまんね、と口元をおさえてカカシは笑った。









「Baby I love you」/カカシサスケ






毛ネタたのしい……。
無自覚マゾっこサスケでした。
お誕生日おめでとう!








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