カカシが通されたのはずいぶんと奇麗に片付けられた部屋だった。 衣紋かけには立派な打掛がかかり、金銀の蒔絵が漆に映えた鏡台には柘植の櫛、添えおかれた組紐と帯玉がいない女を思わせるあたりがなまめいている。紙燭の明りのみで浮かぶ二間つづきの奥は薄暗く、赤い衾がしかれているのが眼に毒だった。 つきだしの蛸と葉わさびの和え物で、手酌でやっていると衾の外に人の気配。挨拶に入ってもかまわないと返すと手のひらほど襖が開いた。白い手指が覗き親骨にそって床近くまで下がる。そしてまたすらりと開いた。きちりと三つ指ついて一礼をする少女がひとり。 肩あたりで切りそろえた髪がさらりと揺れた。としのころは、十かそこら、禿だ。 「花魁のおなりでございます」 ずい、と敷居をこえた地は濃紫、左褄とってのぞく襦袢の緋色に裾までなだれおちた藤花に雨の意匠、高めにしめた帯は利休色のいろは帯、禿をつれだって、さらさらと衣擦れもさやかに目の前をとおりすぎて腰掛ける。紅さす目元を伏せて、白い面にぽってりとした唇が、莞爾にっこりと。 「よう来なんした、お大尽。小糸でありんす」 高い声で名のったもの。 明烏 「気もそぞろ」 「ん?」 「埒外でありぃしたら、あいすみませぬ。遊びといわしゃるに投扇も双六も、舞いもお断りさっして先ほどからそわそわと」 すでに酒を口にしていたものか、小糸は白い肌にうっすらと赤みをさして、見やる眼差しがまた手馴れたもの、差し出す杯を受け取ってカカシも曖昧に笑い返す。 「あ、まあねえ」 「なんぞ気がかり、さては岡惚れでも?」 「岡惚れって……、まあいいや、ここにサスケって子はいる。十二かそこらの」 「ああ、見目良い子でおざんしょ。なかなかの芸達者」 「いる?」 「マァ、お稚児趣味?」 「いや、なんていうか、うーん?保護者、じゃなくて、ん?兄貴分?」 しまった、この質問にこの答えじゃあ念兄ホモといってるようなもの、とカカシが慌ててももう遅い。柳眉をひそめた小糸は一転うらみがまし気に、下唇を噛みしめて流し目をする。 「どうしてやりんしょう、女を前でのなま科白、方便でありぃしても口惜しい」 「や、変な意味じゃないって」 手管のひとつとして、初会で悋気を見せたものか、と思うのだが、どうもそうでもないらしい。胸高の帯を抑えて、きっと睨んだもの。 「いいえ、わっちにも面目と言うものがおざりぃす、登楼あがりなすってまで芸者がよいと言わしゃる仕打ち、小糸をこうまで虚仮にしなんした、ええ、腹立たしい」 言い募るうちに自分の言葉に血が上ったらしく、口早になる。うつむいて睫毛を震わせる風情が雨下の花を思わせ、ぐらりと来ないでもない。 「知り合いなんだって、だから」 「ええ、ぐちゃぐちゃと埒もない、苦界の理は身に沁みて知っておりぃす、蝶よ花よも時分ばかり、せめて女なら秋風もよござんす、据え兼ねようともこらえるものを、三河屋さんと二人して男芸者とはあんまりな」 「三河屋?」 尋ねれば小糸はつんと視線をそらし、口元を覆って俯いてしまう。しかたなくカカシが控えた禿に目配せをすると、心配そうに小糸の傍に少女は屈みこんだ。 「花魁のなじみでありいす、たいそうな御ひいきで」 禿の差し出す花紙をひったくって涙を拭き、きっと目元を潤ませた小糸はカカシを睨む。 「なにがご贔屓、いらぬ世辞。思いは如何ほど試してくれろと手水とるとて中もらい、ちょっとも悋気を見せてくれるでなし、あまりに心無い仕打ちでありんしょう」 「え?」 「サスケを呼びつけて酌をなと、ええ、浮かれ女と莫迦にしやって」 つまり、嫉妬してはくれないものかと厠に行くふりをして小糸は三河屋のもてなしを放り出し、カカシの相手をしてると言うこと、その三河屋というのがサスケ狙い。わあっとついに小糸は布団に臥して、泣き出してしまう。 「え?酌?」 逢うてまもなく早や東雲しののめを 憎やからすが告げ渡る 糸巻きをきつめにし過ぎたか、音がしっくり来ない。流しながらサスケは少し眉をひそめる。注視がいたたまれず、目を伏せたまま撥を動かした。 三河屋とかいったか、小糸がまだ振袖の頃に目をかけて、初物を頂いたと言う。商才はさておき、娘が見初めての婿養子だけに、商家の旦那らしい渋茶に崩し菱、きまりすぎない形なりが妙に似合っている。婚家の手前、妾宅をかまえる訳にも行かず、花町で俗世の憂さを晴らすのは絵に書いたよう。 十日会わねば 死ぬかも知れぬ こんなにやつれて まだ三日 長吟を細くひっぱったところで、手を振られて三味を床においた。杯を上げるのに察して、徳利を取り上げる。 「小糸姐さんは、どちらに」 「手水といって座敷に出て行ったわえ。初会の客だと」 酌をする手首に指を這わせられ、サスケはかすかに目を細める。男の指は腕をたどり、袖口まで来るのに手をひこうとしたところで、徳利の口を猪口から離した。 「燗をおつけしますか」 「よい」 「では鳴り物でも」 言った途端、わかるだろうとでもいうような含み有る笑いに、寒気がしたのは気のせいではない。 ……厭な予感がする。 がたりと銚子が倒れ、ぷんと酒の匂いが鼻をついた。 「善き哉、善き哉」 (……んの因業ジジイ!) 「そう震えるでないわ、小糸のおらなんだ分、」 お前で埋め合わせてやろうとの文句が首筋にかかって、今度こそサスケはぞわぞわと鳥肌だった。手首を捕らえられ、懐抱きにされかかる。きっと睨んでも、口元を笑いに歪めるばかりで、何の脅しにもならない。 腰紐をしてないのが仇になったか、ぞろりと裾が乱れたところを、踏んづけられてみっともなくつんのめる。ぐっと足首を取って引きずられれば畳の上に掴まるものもあるはずもなく、いたずらに爪に井草が噛むばかり、両手を掴まれて体の下に敷きこまれる。伸し掛かられば、抗いようもなかった。 「てめ……!」 「ほう、威勢のいい」 しまった、幻術もっとやっておくんだった、といまさらサスケは後悔する。せめて片手が自由ならなんとかなるだろうが、両手を捕まれてしまえば、根本的な膂力が違う。 声がかかったのはちょうどそのとき、すいませんと言うのに、三河屋が視線を襖に当てる。 「何用だ」 「店のほうからとり急いでと連絡が」 「野暮を言うなよ、取り込み中だ」 膝を割られて、ぎゅっとサスケは目を閉じた。もう我慢できない。 「この……!」 「野暮を承知で、もうしわけないんですがね」 ごつんとサスケの頭突きが三河屋の顎にぶつかるのと、すたんと足で襖の開くのが同時。痛みと闖入者とに呆気にとられた三河屋に、身をよじって両手の自由を取り戻したサスケの肘がこめかみを直撃した。ずる、と脳震盪を起こして倒れこむ。 「わー、乱暴」 三河屋の体につぶされかけたサスケを覗き込んで、闖入者はのんきにのたまった。 「よ!サスケ。いい格好だねえ。ただの出歯亀になりそうになっちゃったよ」 見上げれば顔半分以上を覆い隠した、胡散臭いことこの上ない上忍。八つ当たり気味にサスケも応じる。 「よ!じゃねえ……っ」 「剣呑だね、おまえ」 見下ろして笑ったところ、うう、とうめいて意識を取り戻しそうになった三河屋の首筋にカカシが手を添えた。 「すみませんね」 ぐいっと額宛を押し上げて、男の目を覗き込む。何ごとかと疑問に思うひまもなく、赤目に射すくめられ、ふ、と三河屋の目が焦点を失う。添えた手の親指で頚動脈を押し、おとした。 「貸しひとつな」 「……チィ」 ひっくりかえった三河屋のうえにどてらをかけてやる背中に、はだけた裾を直しながらサスケは短く舌打ちした。 サスケは前をすたすたと歩く男の背を見る。 黙ったままの猫背が妙に張り詰めている気がするのは気のせいだろうか。この男に限ってありえない、と思いながら言葉が出ないのは、変なところを見られた気まずさだろうかなんだろうか。肘をつかまれていれば、歩幅からして違うから足早に歩かれるとしぜん、つんのめるようにして小走りになった。 「カカシ」 「……」 「カカシ、肘、はなせ」 一瞬ぎっと男の手に力がこもる、反射的にいてぇ、と洩らすとまるで磁石が反発するような唐突さで、カカシは肘を離した。少し面食らう。 「あ。あー、ごめんごめん」 手のひらをカカシは数度、握ったり開いたりして、わずか首を傾げた。ふといつものように右目だけで笑う。もしかして不機嫌だったのだろうか、と考えが及び、サスケはなんとなく、気が重くなるのを感じた。 小糸の座敷に戻れば、涙で白粉も流れ落ちた女がひとり、仏頂面のサスケを見て居心地悪そうに視線をそらす。カカシが見てきてあげな、こっちはこっちでやってるから、と言ってやれば、躊躇いがちにそれでも足早に出て行った。 三河屋の頭からここ数時間の記憶がすぽんとぬけているだろう。後々困るかもしれないが、カカシの知ったことではない。襖のあたりに立ち尽くしたままなので部屋の隅に重なっていた座布団を放り投げてやると、受け止めた少年はしぶしぶながら腰をおろした。 「だいたいアンタが何でこんなところにいる」 なんだろうね、その言い草は。 「そのままお前に返していい?」 「火影からの許可はもらってる」 「でもこんな場所とは言ってないだろ」 「いけないとも言われてねえ」 サスケはフンと笑った。 「風紀が乱れる云々いうなら助成金をあげやがれ」 「うわ……吝しわいね、おまえ」 「もしくは任務の金を上げろ」 ああ言えばこう言うで、小面憎い。まだ手のひらに感覚は残っている、一掴みできるほどの肘、背中をとることすら容易い、と思って、妙に物騒な自分の考えにカカシは内心で首を傾げる。背中を取ってどうするつもり、と考えて、思考を打ち切った。 「でもな、職種ってもんがあるでしょう」 「夕方から始まっていちばん実入りがいい」 「でも、ああいう手合いもいるわけだろ」 「まあな」 まあなで済ませていい問題か、と思う。まずもってこの町で浴びせられる視線は二通り、品定めの眼と好奇の眼、商家の主であればそれこそ選り取りみどりであろうに、食指が動くとなればまあ整った容貌ではあるのだろう。人目に立つほどの。 (あ) なんかむかついてきた。 「まあ、それはともかくとして、なんで一言ぐらい言わない?」 「……」 「イルカ先生も心配してたよ」 表情をわずかに変えたのにおや、と目を瞬く。苦虫を噛み潰したような渋面、というよりは、視線をそらしたのにばつが悪いのかとなんとなく思う。 「どうしたの?」 「あの人は苦手だ」 「ふうん」 (あ。また) 「イルカ先生が言った方が、効果ありそうだね。オレよりも」 口にはしなかったが、一瞬でも考えてしまって、自分で地の底まで落ち込みそうになった。放り出された脇息を行儀悪く足で引き寄せて、腕を乗せばったり顔を伏せる。腐ってるどころの話じゃない、なんだかすごい最低だった。五月病だろうか、思考が欝っている。 「おい?」 サスケの声に手のひらだけをひらひら振って、聞こえていると示した。 もとはといえば、サスケがこんなところで小遣い稼ぎをしているのがいけないのだ。 ああでも、生活かかってるとか言われたら返す言葉はない。ますます八方ふさがりになって、カカシは頭をガシガシと掻いた。なんだか八つ当たりをしたい。さっきから異様にむかっ腹が立っている。いくら自分の管轄下だって言っても勤務外労働だし、特別手当が出るわけでもないし、給料は歩合制だし……。 一方サスケはぐったりと俯いてしまったカカシに困った。 三河屋の話は番頭新造に話を通しておけば何とかなるだろうし、やめる羽目になったら別のところでバイトをすればいい。どちらにしろこの状況だとサボっているのも同じだ。給金分は働かないといけない。 ひとまずカカシは放っておいて、仕事をしようと決めた。 「サスケ」 「何だ」 「ちょっとおいで」 手招きをされて近寄る。頬杖をついたカカシは珍しく見上げる形になったサスケをしげしげと見る。そしてそのまま、棚からコップでも取るように無造作な動きでサスケの腕をがしりと握った。何しやがる、と言うひまも有らばこそ、カカシの足がひょいとサスケの足を払う。だるま落としのように、無駄のない鋭い動きだった。 「!?」 壁に右半身を叩きつけられる。だが傾いだ視界に自分が畳の上に転がされたのだとすぐに悟った。手をついて起き上がろうとして、腕を掴まれたままなのに気がついた。 「な……」 そのまま利き腕を捻られてうつ伏せに引き倒された。ぎしりと肩が軋む。首をねじって振り返るものの、男の顔は見えず、裾をはぐる手の感触に血の気が引いた。冗談じゃない。 「はなせっ」 カカシ、と呼びかけても背後の男は無言のままだ。紙燭の明りが男の体にさえぎられ、影が畳に揺れた。半襟を背中に引き下ろされ仰け反った首筋に息がかかる、見たこともないカカシの唇だと認識し訳のわからない震えが走った。ぎしり、と肩が軋むのにもかかわらずもがく。 「折れるよ」 「……はなせっ」 袷から入りこんだ手は妙に体温が低い。内股のやわらかい皮膚を楽しむように撫でられて身をよじった。 「カカシッ」 「はいはい」 「いい加減にしろ、はなせ」 「ん〜?」 いつもと変わらないとぼけた口調、おそらく口もとも変わらぬ笑み、それがいっそ気味が悪い。関節を極めて押えつけられてしまえば、外すことも逃げることもできない。ぎりっと奥歯を噛みしめ、目をきつく閉じた。カカシの手が下着にかかる。ちきしょう。呼びかけは半ば悲鳴になった。 「やめ、……カカシッ」 「―――なーんだ、ふんどしかと思ったのに」 唐突に背中から男の重みが消える。捻り上げられていた肘もほどかれた。パンツじゃ駄目だよ、パンツじゃ、と言われて股間を押さえたままサスケは呆然と口布を引きあげるカカシを見上げる。 「下着まで完璧にしなきゃね」 はい、と差し出されたパンツを引っ手繰り、太腿までまくれ上がった裾を引き下ろしながらサスケはカカシを睨む。 「てめえ!」 「……安心した?」 言われてぐっと詰まる。 「俺みたいなのが客じゃない可能性もないわけじゃないでしょ。里の中なんだから」 「……」 「君子あやうきに近寄らず、っていうだろ。きな臭いところに自分から突っ込むんじゃない。こういうのは確率の問題なわけ。いい?道端でばったり変態に会う可能性はあんまりない」 あんたがそうだろ、と言いそうになって、洒落にならない気がしてサスケは思いとどまった。脇息に頬杖をついたカカシはサスケを見やる。 「でもな、こういう町にはそういう目的でくる奴等がたくさんいる。そういうので頭が一杯な奴等のところと、ふつうのところ、どっちに変な手合いが多いか、わかるだろ。まあそれでもなっちゃったら運だけど」 「……」 「しかも着物なんてぜんぶ脱がす必要ないからね、裾を捲くったらそれだけでできちゃうのよ?」 「!」 カカシの腕が伸びる。びくりと肩を竦めたサスケにカカシは苦笑した。 「もうなにもしないよ。冗談きつかった?」 ごめんね、と言いながらカカシはサスケの頭を撫でた。そしてやおらサスケの手の中のパンツを指差し、おなか壊すよ、とのたまう。ぎっと睨んだサスケは部屋の隅に行くともそもそと履きだした。その背中にカカシは声をかける。 「実入りのいい任務とってくるし、別のバイト探してやるからさ」 「……前借りしてる」 「うっそ、それはまずい」 「今月末までもらってる、から」 途中で辞めるわけにいかない、といわれた。 「今月末まで?っていうと、あと」 「二週間だ」 「ん〜、ま、そのくらいならいいか。じゃあ話しとけ」 ずるずると乱れた着物に業を煮やし、結局サスケは帯をほどいて襦袢の上から着直す。それを横目にカカシは床に投げ出された袋に目を遣った。 「これ何?」 「三味線」 「こんなのできたんだ?」 「すこしやってた」 「ふうん」 袋から取り出せば桐の箱、開ければ赤い布の中に立派な細棹の三味線がおさまっていた。 「ずいぶんいい奴だね、猫皮よつ?」 「店からの借り物だ、壊すなよ」 「はいはい、貧乏だもんね」 遣手婆がうるさいとはき捨てるのも世慣れて、カカシは苦笑するばかりだった。重みを手に感じ、行燈の火明りでは心もとないが色からしておそらく胴は紅木、木目の上にトチと呼ばれる波目模様がかぶさっている。ついた撥は樫の木材でもなさそうで何かと問えば水牛の角と答えた。 ためつすがめつしてカカシは着物を直し終えたサスケに手渡した。流してくれるか、といえばサスケはしばらく爪弾いて音を確かめる。きりきりと天神の糸巻きに手をかけ、一の糸の音を確かめ、すこし弾くと二の糸三の糸と整えていく。手挟んだ撥を手にして弾きながすのがツントテと明るい調子、やおら謡いだすのが都々逸。 可愛いお方に謎かけられて 解かざぁなるまい しゅすの帯 「……おまえねえ」 呆れたカカシの声にあらあら、と通りがかりの女中が笑う。年配の錆びゆえの味はないが、子供だけに声が細く延びが良いので、いかにも戯れ唄らしく底なしに明るい。とうの立った女あたりには可愛がられるかもしれない。謡いやってカカシの渋面に思案顔、こちらのほうがいいか、と節を転じたのが、切々と胸に迫るもの。 鬢のほつれは まくらのとがよ それをおまえさんに うたぐられ つとめじゃえ 苦界じゃ 許しゃんせ 「……意味わかってんの」 「間夫に疑われた妓の歌だろ」 「まぶ、って……」 当の本人は涼しげな目元を細め、口の端だけでちらと笑うのが年にそぐうような、そぐわぬような。小唄の意味が意味だけに物慣れず、似合わぬさまがまたやけに……、と考えたところで、毒されたかとカカシは溜め息をついて手を振る。 「唄はいいや」 「そうか」 絹糸をきちりとおさえる指が細く、爪の色も少し赤みを帯びている。 (……もったいなかった……) 諦めましたよ どう諦めた 諦めきれぬと諦めた ベベンと思い浮かべた一節にどきりとする。 心中でもらした独り言ににじんだ響きに、思いのほか残念な色が強いのを自覚して、今度こそカカシはがっくりと首をたれた。 |
「明烏」/カカシサスケ |
廓言葉、がんばったけどわからない…!
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